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林口宏さんの講演会 in 龍谷大

先日7月15日に龍谷大学で林口宏さんの講演会が行われました。
今回はその内容と感想をお伝えします。

内容  1.生産者や現場の現状
     2.なぜフェアトレードの仕事をされているのか
     3.最後にコーヒーを通して

1.林口さんはコーヒー生産と途上国のコミュニティレベルにおけるフェアトレード を調査するために中米(コスタリカ)に滞在されていました。そこでは大規模プランテーションとは違い小規模ですが人の手によって丁寧に地道に作られていました。

行程   花が咲き落ちると緑の実がなる 
           ↓
      完熟した実から手で摘み取る
           ↓
      馬に乗せて運び、実をはぐ
           ↓
      豆を満遍なく広げて干す
           ↓
      焙煎して選んだ豆だけ輸出する
   
 また、コーヒーのみの栽培だと害虫が発生し、生態系の破壊にも成りかねないので、熱帯雨林の中で他の植物や作物も育てながら生活をしていました。ある生産者は「フェアトレード生産は、良い生産方法を行うことで労働に見合った対価を受け取ることが出来る」と言います。
 林口さんは、滞在中に現地の生産者の人々にアンケートを実施していました。そのとき気づいたのは、生産者本人ではなく子供にアンケートの回答を書かせる家庭が多かったことです。それは、字を知らないからです。コスタリカは中米では唯一の教育国なのですが、遠隔のコーヒー生産地では学ぶ環境が行き届いてないのです。学校がそれほど普及されておらず、学費も厳しい家庭が多いのです。しかし、フェアトレードによる収入によって奨学制度の小学校が建てられたりするなど改善されつつあります。

2.林口さんの学生時代は『ボランティア』や『NGO』など聞いたこともありません でした。また海外には行きたいけど何をしたらイイのか分かりませんでした。その後、輸出入業の専門会社で働き、貿易から環境問題、貧困問題につながることを知りました。それがフェアトレードです。退職後、フェアトレード団体やインターンを通して、日頃から少しでも恵まれない人々の役に立ちたいと思っていました。また企業と関わることでビジネスが学べました。そしてフェアトレードを伝えたいという意識が高まりました。

 世界での3つのコネクション(熱帯林を伐採して破壊する)
・「箸・コネクション」
  日本、割り箸の一部を東南アジアの熱帯材から生産、現在では間伐材などの
  使用で問題減少
・「棺桶・コネクション」
  欧州、高級棺桶材を西アフリカの森林から伐採
・「ハンバーガー・コネクション」
  米国、ハンバーガー用の安い牛肉生産用の牧場開発で中南米の熱帯林を焼畑

これを私たちが知ったうえで考え、行動するという選択肢を増やす環境を作ることが大切であります。

3.現在コーヒーは60~80カ国で生産されていますが、生産者のほとんどが貧困で衣食住が満たされていません。コーヒーは生産費がかかるわりに、投機的な動きで値段が上下するので、どれだけコーヒーを作っても貰える価格が少ない場合があります。そうなると生産者は生活が出来なくなり、土地を売ってしまうなど貧困状況に陥ってしまいます。フェアトレードは価格水準が例え下がっても一定額を差し上げる貿易システムです。
コーヒーなど物を選ぶ際にはこうした指向を知ってもらい、自分自身に無理のない範囲で継続的に動いていただければと願います。


感想:今回、販売促進部でも商品の取引でお世話になっている(有)フェアトレーディングの取締役である林口宏さんにお会い出来て大変嬉しかったです。フェアトレードに関する貴重な活動体験談やご説明を聞かせてもらい勉強になりましたし、フェアトレードの魅力をさらに感じました。
 講演を開催してくれた龍谷大学のJITさんに深く感謝します。

                                           販売促進部 鹿屋 卓哉
by asante-fair | 2005-07-29 15:23 | 日記
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